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里山 今森光彦企画展「水の匂いのするところ」より （３９０）

長年、里山を撮り続ける今森光彦さんの企画展（１９８３年～２００５年の　９２点で構成）が開かれている（９月１８日まで）滋賀県立美術館を訪ねた。
今森光彦さんは、環境変化が著しい今、里山について「日本人の自然観に絶対必要なもの」と語っている（中日新聞）。尚、作品の撮影及びブログの掲載は了解を頂いている。
帰途、膳所(ぜぜ）の義仲寺（ぎちゅうじ、木曽義仲と松尾芭蕉の御墓所）に立ち寄った。旅終えて、今森さんの情熱の一端に触れ 感無量である。

９月１１日 「水の匂いのするところ」タイトルと作品（１）湖西にひろがる、広大な棚田

（２）カタクリとギフチョウ

（３）真夏の田園

（４）春の河口

９月１１日　 義仲寺に四年ぶりに咲いた芭蕉の花

松尾芭蕉の俳号の由来になった生家（三重県伊賀市）の芭蕉の花が、

三年ぶりに咲き、来館者の目を楽しませているとのこと。

そして一句

巴寺つむりの如き花芭蕉

（花芭蕉；晩夏の季語。巴寺は義仲寺、つむりは頭のこと）

東山の森 初秋の風 （３８９）

少しばかり涼しい朝、東山の森にある里山を散策した。いつの間にか、小さな棚田は 稲穂が出、湿地には白玉星草が咲き始めた。夏の終わりを告ぐ夏水仙が咲き誇り、道野辺の ねこじゃらしは、風に揺れるなど初秋らしき気配である。

9月2日 里山の初秋の情景（１）眩しい防鳥ネットに覆われた稲穂

（２）露の光、風になびく ねこじゃらし

（３）東海地方に咲く絶滅危惧種の白玉星草

（４）まばらに咲いている彼岸花科の夏水仙

そして、一句

朝風や犬の集ひてねこじゃらし

　（ねこじゃらし；エノコログサ（狗尾草）のこと。秋の季語）

小呂池の可憐な羽衣藻 （３８８）

真夏日の小呂池（岡崎市）を訪れた。青空を映すこの池には鯉、亀、とんぼ、蝶々などが気ままに振る舞い、立枯れ木や睡蓮と共存する羽衣藻は、風情がある。
名前は水中の葉が羽衣に似ていることに由来する。台風の後片づけをしている人に了解をえて、見所を探索した。

８月１８日 可憐な羽衣藻の花の情景（１）星座の絨毯のような群生花

（２）晴天の水面に踊るような花

（３）立枯れ木と睡蓮を背にした小さな羽衣藻の花

（４）白雲を映す水面の羽衣藻の花

そして、一句

溜池は白雲浮かぶ羽衣藻

（羽衣藻；はごろもも。夏の季語）

足助に咲く狐の剃刀の花 （３８７）

足助町（愛知県）の飯森山に咲く「狐の剃刀の花（狐花）」を散策した。名の由来は葉の形を剃刀に、花の色を狐に見立てたものである。大木の傍や岩の周りの狐花は赤い炎のように見える。時折の南風に揺れ、自由気まま咲く姿が風情である。


８月8日 気ままに咲く狐花の情景（１）彼岸花のように反返らず、百合に近い花

（２）羊歯の葉の中、青空を見る狐花

（３）大木の傍に咲く小さな花

（４）群生の狐花に木洩れ日射す

そして、一句

行燈の足助の街や狐花

（狐花；きつねばな。秋の季語）

炎暑から秋へ移ろう花々 （３８６）

東山の森（名古屋市）の小さな棚田と草木を散策した。青田にはトンボ、蜘蛛などが陽光浴び、畦は華やかな みそ萩の道となっている。湿地には鷺草が、葦が茂る中に露草が咲き始めた。酷暑の日々、待ちわびて秋近し。

（１）白鷺が羽を広げて舞い降りるような鷺草（さぎそう）

（２）貝の形の鮮やかな青色の花の露草（つゆくさ）

（３）陽光を浴びて輝くみそ萩の花

（４）光が森の影を映す青田

そして、一句

月草や川野辺歩く二人づれ

（月草；つきくさ、露草のこと。秋の季語）